今年の冬のハロコンから全面的に導入されたハロプロ内カラオケコンサート(別名ヒッパレスタイル)。それ以降、複数のユニットが競演する形のコンサートではことごとく導入され、夏のハロコンも同様である事は容易に想像できます。とかく批判の矢面に立つこの形式の問題点/改善点を考えていきます。
■ 歌に対する思い入れ
ハロプロは歌い手が制作に携わる事はありませんから歌に対する歌い手の思い入れは後付けになり、比較的その関係性は希薄なものとなります。とは言うものの、歌に込められた気持ちは確実に存在します。そして現状のシステムはそれを蔑ろにしているのは間違いないでしょう。
ではどうすれば良いか。一番簡単なのは選曲を活動停止しているユニットの持ち歌に限定する事です。例えば太陽とシスコムーン/T&Cボンバーは既に活動を停止しているため持ち歌をカバーしても比較的波風は立たないでしょう(むしろ太陽とシスコムーンは再評価に繋がって一石二鳥かも)。とは言え、活動停止を明言しているユニットがT&Cボンバー、ミニモニ。、カントリー娘。に石川梨華(モーニング娘。)だけなのが難点ですが(タンポポやプッチモニは言うに及ばず、ROMANSですら「活動していない」だけです)。とにかく、現行のユニットの曲はそちらのコンサートで歌われる可能性もあるわけですから極力避けるべきです。
■ DD前提
かなり以前に書いた事がありますが、アルバムリリース後のソロツアーを見てアルバム曲を知らない事に対して文句を言うのは単にマナー違反なだけです。スタッフサイドに何ら落ち度はありません。ですが、ステージ上の出演者と直接関わりのない曲、例えば後浦のツアーで言えばカントリー娘。に紺野と藤本(モーニング娘。)やメロン記念日、美勇伝のツアーで言えばプッチモニやミニモニ。、松浦亜弥などは知らなくて当然の曲です。美勇伝のツアーではメロンのガールズパワー・愛するパワー」を唄っていますが、これを知っている人はメロンのシングルを買っている人、もしくはメロン単独のイベント/ライブに行った事がある人だけです。言ってみればそれはメロン記念日のファンです。メロン記念日のファンである事は美勇伝のコンサートを楽しむ事の十分条件ではないでしょう。ツアー中に新曲を唄う事もありますから知らない曲を排除する事は不可能でしょうが、それとは事情が異なります。
■ 唄い込み不足
コンサートに向けてレッスンやリハーサルを行っているとは言え、所詮は他人の曲。曲を自分の物にするほどの時間は取れていないのが現状だと思われます(恐らくダンスやフォーメーションがメインで歌は二の次じゃないかな。梅さんたちのタンポポが菅井ちゃんの個別レッスンを受けていたのは暇だからかな)。持ち歌が直ぐに自分の物と出来ているかどうかはいささか疑問ではありますが、モチベーションは雲泥の差でしょう。
さて、では一体どうすれば良いでしょうか。ヒントは市井ちゃんのツアーにあります。非ハロプロ曲である「タイムマシンにおねがい」。少なくとも僕の目にはかなり盛り上がっているように見えました。ほとんどの人が生まれてないであろう1974年発売のシングルにもかかわらず(桐島かれんボーカルの再結成ですら1988年)です。盛り上げるためには何もハロプロの知っている曲をチョイスする必要はないのです。大雑把な言い方をしてしまえば曲自体を知ってようが知ってまいが、それなりにノリが良い曲であれば盛り上がるのが事実です。
もちろんJASRACに支払う著作権使用料の事を考えたら赤の他人の曲よりつんく♂の曲を使う方が安上がりなのかも知れませんが、今の色々な人の心に少しずつ傷を作りながらのコンサートはやはり本来のコンサートの楽しみ方とはかけ離れています。
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夏のハロコンのMCがまことと矢口さんねぇ…。ハロコンでのまことの存在意義なんてないに等しいようなものだから、娘。のメンバーと組んだりして歌を唄われるよりなんぼかマシか。あ、1つだけお願い。新旧娘。メンバーとはステージ上で絡まないで。他の事は我慢するけど、それだけはホントお願い。