僕にとってのBLURは「leisure」、もっと言えば「There's No Other Way」。
丁度BLURがデビューした時は例のマンチェスター・ムーブメントの真っ只中で、今では信じられないでしょうけどremixという雑誌が大々的に取り上げたりしていて。BLURもご多分に漏れずデビュー曲の「She's So High」なんかではかなり黒いリズムを叩き出していて、マンチェスターバンドのOne of Themでしかなかったんです。でもそのthemの部分がかなり好きでしたのでBLURが将来イギリスを代表するバンドになろうとは全く思わずに聴いていました。「There's No Other Way」はちょっとファズがかかったギターが鳴って多ハイハットタンバリンを使ってるリズムが入ってくると、もう自然に体が動くというか本当に「考えるな、感じるんだ!」 って感じで。ホントに何年経ってもこのギターとリズムは理屈ぬきに大好き。ロッキンオン風に言うと僕に取ってのアンセムなんでしょうね。
「There's No Other Way」ってダンスビート、リフがメインのギター、グルーヴィーなオルガン、マッチョイズムの欠片もないボーカルと当時のイギリスの流行り物のエッセンスだけを抽出したような曲でトゥーマッチな所はないんですが、それってやっぱり僕が当時の音楽が好きだからですね。「PARKLIFE」辺りから表に出てきた「BLURらしさ」が好きな人は、こんなのBLURじゃない、って思うかも。
CRUE-Lレコードの瀧見憲司さんも「There's No Other Way」が好きだったみたいで当時はよくDJでかけていました。今となっては懐かしい思い出です。