02/09/01
BLUR 「There's No Other Way」
 僕にとってのBLURは「leisure」、もっと言えば「There's No Other Way」。
 丁度BLURがデビューした時は例のマンチェスター・ムーブメントの真っ只中で、今では信じられないでしょうけどremixという雑誌が大々的に取り上げたりしていて。BLURもご多分に漏れずデビュー曲の「She's So High」なんかではかなり黒いリズムを叩き出していて、マンチェスターバンドのOne of Themでしかなかったんです。でもそのthemの部分がかなり好きでしたのでBLURが将来イギリスを代表するバンドになろうとは全く思わずに聴いていました。「There's No Other Way」はちょっとファズがかかったギターが鳴って多ハイハットタンバリンを使ってるリズムが入ってくると、もう自然に体が動くというか本当に「考えるな、感じるんだ!」 って感じで。ホントに何年経ってもこのギターとリズムは理屈ぬきに大好き。ロッキンオン風に言うと僕に取ってのアンセムなんでしょうね。
 「There's No Other Way」ってダンスビート、リフがメインのギター、グルーヴィーなオルガン、マッチョイズムの欠片もないボーカルと当時のイギリスの流行り物のエッセンスだけを抽出したような曲でトゥーマッチな所はないんですが、それってやっぱり僕が当時の音楽が好きだからですね。「PARKLIFE」辺りから表に出てきた「BLURらしさ」が好きな人は、こんなのBLURじゃない、って思うかも。

 CRUE-Lレコードの瀧見憲司さんも「There's No Other Way」が好きだったみたいで当時はよくDJでかけていました。今となっては懐かしい思い出です。
02/09/13
meg 「イケナイコトカイ」
 何度も書いているような気がしますが、かなり僕は岡村靖幸が好きなんですよ。もうそれはどんな曲か聴いた事もない川本真琴のデビュー曲「愛の才能」を岡村ちゃんが作曲しているというだけで買ったりするくらいです。

 で、megもデビュー曲が岡村ちゃん作曲&プロデュースということで「スキャンティ・ブルース」を買ったんですが・・・。イヤ、まぁ、こういうのもあるかな、って感じでちょっとイマイチっぽかったです。2ndシングルは岡村ちゃんの「イケナイコトカイ」のカバーで原曲も好きだからこれは外れないだろうと思って買ったら・・・これ、いい! ベタベタのバラードなのでアレンジとか凝っても知れてるんで、逆にあえて原曲に近い雰囲気を持たせているのが成功してるのかも。megの唄い方も普通の歌だとブレスがうざったく感じる所なんですけど、岡村ちゃんのカバー、そしてこの曲だからこそまとわりつくような唄い方で正解。この曲はボーカル、トラック含めてかなりの出来だと思います。
 ついでにインディーズの「傘としずく」も買ったんですが、これ、すっげー良いです。ひょっとしたらメジャーの2枚より全然良いかも。ぶっちゃけ、UAとかCHARAの系譜に繋がるR&B系の曲ですけど、自分でこれだけの曲が書けるのなら岡村ちゃんの話題性はあまり必要ないかも。それだけの曲。

 「傘としずく」のアレンジは元CUTEMENのCMJK、カップリングはKICK THE CAN CREWのカバー、そして岡村ちゃん。面白い立ち位置にいる事は確か。
02/09/15
Stereo Fabrication of Youth 「Know Future for You」
 ステファブの良さはやっぱり曲が書ける所にあると思う。公式サイトで聴ける「戦場の遠距離恋愛」や新譜の「ビーチボーイズ」みたいな爆裂ポップチューンもいいんだけど持ち曲の中にミドルテンポの曲も多くてどれもなかなか。ニルヴァーナ以降のオルタナの影響がありありなんだけどボーカルの少年っぽい声質のせいでマッチョイズムは感じないですし。バンドの中心人物のボーカルとギターがメガネをかけているのも文科系の匂いがして、そういう所も僕は好き。もっともライブでレンズが入ってない事が判明したけど。

 と、ワンマンライブに行ってきたんですが、インディーズで2年ぶりのリリースのわりには客が多かったなぁ。流石に地元だからかな。前の方の5列くらいはモッシュピット状態だったし。しっかし演奏上手いなぁ。特にギター。失敗した、って思う所が全然なかったし。ワンマンだから勢いのある曲ばかりじゃなくて当然静かな曲もやるんだけど4曲くらいやったかな? 演奏がきっちりしてるからライブでもちゃんと聴けるね〜。ちょっと見直した。
 今までもやっていたのか分かりませんけど、中村一義の「犬と猫」のカバーをしてました。こういう同世代(って言っていいと思う)のカバーって勇気がいると思うんですよね。でもラウドでテンポも早めにして上手くアレンジしてたんじゃないかな。「犬と猫」という選曲自体、面白かったし。

 リリースが2年ぶりだったり所属事務所を辞めたりメンバーチェンジしたり色々と状況が大変みたいだけど、「自分たちの音楽を広めたい」ってしっかりとした気持ちを持っているみたいなんで、あとはタイミングだけじゃないかな。
 ライブ会場で「VOLTAGE」という曲が入ったCD-Rを限定100枚で販売して売り切れたんだけど、メンバー自身が「10枚CD-Rを焼いて配って広めてくれ」と言っていたのでとりあえずアップロード。

 Stereo Fabrication of Youth 「VOLTAGE」(公開終了)

 名古屋の期待の星ですぞ、皆さん。興味のある人はタワーレコードへGO!
02/09/29
Jason Falkner 「Can you still feel?」
 実は僕がジェイソン・フォークナーを聴くようになったのはブレンダン・ベンソン経由だったりします。もちろんJELLYFISHは聴いていましたが「こぼれたミルクに泣かないで」からだったので、早い段階でメンバーを辞めていたジェイソン・フォークナーの事は知りませんでした。たまたまブレンダン・ベンソンのアルバムのライナーノーツに元JELLYFISHのメンバーだった事が記載されていたため「Author Unknown」を買ってみた所、これが大当たり。
 やれほぼ全ての楽器を1人で演奏しているとか、2枚目の「Can you still feel?」はあのRADIOHEADの「OKコンピューター」のプロデューサーのナイジェル・ゴルドリッチだとか、そういう事が些細な事のように思えるくらいポップで素晴らしいメロディ。多分、天才ってこういう人の事を言うんでしょう。音は全然普通にロックなんですよね。「オルタナ以降のシンガーソングライター」の最大公約数で。でも圧倒的に曲が書けるからそこにはジェイソン・フォークナー色が強く出ていて。「Author Unknown」は1996年のアルバムですけど今聴いても全然古く感じませんし。普遍のポップスってこういう感じなんだろうなぁ。音楽的な素養があってそれを上手く自分のやりたい事に昇華させていて。
 ブレンダン・ベンソンもそうですけど、上昇志向とか全然感じない/感じさせない所がまた仙人っぽくて良いです。

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 ジェイソン・フォークナーが在籍していたTHREE O'CLOCKのマイケル・クエシオがやっていたPERMANENT GREEN LIGHT、好きだったなぁ。

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 色々調べるために検索してたら面白いページ見つけちゃった。Hyper Enough Radio。権利関係とかぶっちぎってそうですけど面白い草の根ラジオ。こういうのやってる人っているんですね。