02/10/05
Ash 「Intergalactic Sonic 7"s」
 Ashに限らずUKギターバンド、特にブリットポップ近辺のバンドってデビューでガツーンと行って1枚目のアルバムはまあまあ、2枚目のアルバム以降失速、その後消息不明になるパターンが多いような気がするんですよね。WHITEOUTとかどこ行った? で、Ashもご多分に漏れずそのパターンを丁寧に沿っていたんですがどこでどう道を外れたのか大復活。予想以上にバンドとしての体力があったんでしょうか。「Life Less Ordinary」から徐々に輝きを取り戻して、そして「Burn Baby Burn」、「Shining Light」の2枚のシングル。久しぶりに輸入盤をVer.1とVer.2を揃えちゃいました。
 やっぱりAshの本質は青春キラメキギターポップにあるのは間違いなくて。初期の「Jack Names The Planet」や「Angel Intercepter」に代表されるような。でも青さだけではやっていけない事もあって、それが一気に噴出したのが「Nu Clear Sounds」じゃないかな。そこでそのまま深みにはまっていかずに戻ってこれたのはシャーロットのおかげだと思うんですよ。ホラ、近くに女の子がいると男の子って張り切るからさ。基本的にティムって「男の子」ですし。

 このベスト盤には「ENVY」って新曲が収録されていますが、これがまた「ど」が付くほどポップ。初期の青っぽさとはまた違う若さがあって、それでいて最近のAshらしくシング・アロングな曲になってて。他のお勧めは何と言っても「Kung-Fu」。この曲がなかったら僕はAshを聴かなかったというくらい大好きな爆裂パンクチューン。ラモーンズ meets ジャッキー・チェン。って言うか普通その2つを合わせないよね。PVが馬鹿っぽくてまたいいんだ、これが。

 「Intergalactic Sonic 7"s」は絶対に買い。

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 Zeppで殿下。羨ましい。
02/10/06
WINO@ell. FITS ALL
 大丈夫かなぁ、WINO。結構ちゃんとした「普通」のロックバンドだし、日本じゃ数少ないシング・アロングな歌を唄ってるバンドなんだけど売れてないんだよねぇ。今日のライブなんてボーカルの吉村はステージ降りて客席まできちゃってるし、おいおい、それがメジャーアーティストのやることか?って一瞬思っちゃいました。「EVERLAST」のジャケットはBlue Sourceがデザインしててすっげーカッコいいんだけどなぁ。

 まぁ、それはそれとしてライブ自体はまぁまぁ楽しかったです。やっぱり一緒に唄えるライブはそれだけで楽しい(その代表格のoasisはまた兄弟喧嘩してるみたいですけど)。キーボードもDATも使わないライブも久しぶりでしたし。「EVERLAST」が余分な物を削ぎ落としてメロディとバンドの持つパワーで作り上げたストレートなアルバムだったので、それがライブにも反映された感じ。
 でも、直行のギターソロっつーかギターコーナーは要らないなぁ。特に最後のは。「INHALER」でモッシュしまくってテンション上がりまくってそのまま帰して欲しいわ。竜頭蛇尾な終わり方。前日のライブはもう1人のギターの外川も一緒にやってたらしいけど、今日は1人だった。愛想を尽かされたか?

 しかし、婦女子率が高い所にダイブしたらアカンで<直行。

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 岡村靖幸ナイトが名古屋でも。行くかな。

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 お、ノエル兄ちゃん、「Bitter Sweet Symphony」唄ったのか。
02/10/13
Rhett Miller 「The Instigator」
 ヤバ〜イ。かなり良いです、Rhett Millerブレンダン・ベンソンとかジェイソン・フォークナーが好きな人は絶対に気に入るはず。オルタナ・カントリーバンドOld 97'sのボーカルらしくカントリーテイストも多少感じますが、基本はロック。上に挙げた2人と同じようにオルタナ通過後のシンガーソングライターとしてのソロデビューです。
 時にアコースティックに時に少しパンキッシュなギターが曲の中心で、結構良い曲書いてます。ちょっと甘いのボーカルと相まってこの人も宅録文学青年の香りがします。3曲目のミドルテンポの「Come Around」が先行シングルになっているようなんですが、泣きメロのすっげー良い曲です。ブレンダン・ベンソンといい彼といい、こういう曲が書ける人ってアメリカにゃごろごろいるんですかね。

 ジャケットはちょっとサル入ってる(というかSUPERGRASSのギャズ入ってる)感じですけど、インナーの写真を見ると、うわっ、イイ男! こっち方面で人気が出るかも。

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 名古屋のThe ArrowsってバンドのCD(厳密にはCD-Rだけど)に「権利者に許可なく賃貸業に使用することに若干、乗り気です。楽しく聴きましょう音楽は。」ってコピーが帯に書いてあって嬉しくなっちゃった。やっぱりインディーズのバンドなんてこうでなくっちゃ。
02/10/14
高岡早紀 「Sabrina」
 あら、久しぶりにアイドルポップス。皆さんの高岡早紀のイメージって何ですかね? 女優? グラビアアイドル? 実は結構唄ってまして、アルバムも4枚(ベストアルバム除く)も出していたりします。で、その1stにして最高傑作だと思う「Sabrina」。
 10曲中7曲を加藤和彦さんが作っていて、おフランスというかセルジュ・ゲンズブールというかフレンチロリータというか、まぁそんな感じなんですがそれを演じきっている高岡早紀が凄いです。この「Sabrina」の発売が1988年、高岡早紀の誕生日が1972年で16歳にもなっていない彼女は、やっぱり逸材だったと思います。上でフレンチロリータって書いたんですが、このアルバムでの高岡早紀は圧倒的に『少女』です。歌は全然上手くありませんし、ウィスパーな唄い方でどちらかというと雰囲気物です。「太陽はひとりぼっち」のボーカルの危うさと言ったら、それはもう。サビで声が裏返りそうな所とか聴いていてドキドキしちゃいます。ただ、それがまた少女性を高める効果があるような印象さえ受けるんですよね。この曲だけでも何とかして聴いて欲しいと思う1曲です。

 高岡早紀というと1つ衝撃的な事がありまして。イヤ、ヌードじゃなくてですね。青山スパイラルホールで行われたファーストコンサートの事なんです。客席と同じ高さのステージ(ステージなのかどうかも分からないような物ですが)で繰り広げられるショー。コンサートやライブより『ショー』という言葉が相応しい、バカみたいに完成度の高いファーストコンサートが当時話題になりました。この模様はビデオが発売されていますので、もし中古を発見したら手に入れる事をお勧めします。若干ニュアンスは違いますが間違いなく「お宝ビデオ」です。
02/10/29
星村麻衣 「Stay with You」
 キーワードは「ピアノ」、「シンガーソングライター」、そして「ロック」。

 ピアノを弾きながら唄っていてもより子。とかみたいな弾き語りやニューミュージックではなく、ライブでは椅子を蹴り倒して立ったままピアノを弾いたりもする、そのダイナミズムは明らかにロックのそれと同質。本人もベン・フォールズが好きなのを公言していて、ピアノロックというフォーマット自体BEN FOLDS FIVEからの影響なのは明らかなんですけど、日本のメジャーフィールドで同じ事をやっている人がいないのでオリジネイターになれる可能性を秘めているんじゃないかと思います。
 プレデビュー盤の「夏が色づくまでに」はJ-POP色が強かったんですが、今回の正式デビュー盤では若干アメリカナイズされたというか、見も蓋もない言い方をすればベン・フォールズ色が強まったというか。でもそのせいか、音とかメロディの抜けが良くなっているような気がして今後に期待って所かな。

 ルックスは何処となくJ-POP的。